研磨技術
様々な表情を持たせる
高度な研磨技術により、素材の表面に様々な表情を持たせます。
ステンレスや真鍮などの板・製作物等に多種多様な研磨を施すと、さまざまな表情が生まれ、単なる金属板から高級な素材へと変貌を遂げます。
我々は、“建物や製品の価値を決める重要な要素のひとつ”と認識し、研磨加工技術を日々磨いております。
研磨種類
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#400仕上げ
サイザル(麻)バフによって研磨仕上げしたもので、一般的なステンレスの白っぽい肌に少し光沢を出すために利用します。 機械、自動車ボディ、建材、厨房機器等あらゆるステンレス製品で採用されています。
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#600鏡面仕上げ
綿バフにより研磨したもので、バフロールの作り方のちがいにより、光沢度合いやバフ目の程度がかわってきます。
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#700鏡面仕上げ(目あり#700)
綿のバラバフにより研磨したもので、#600より光沢が良く、研磨目も目立ちにくいのが特徴です。 溶接を伴う板金加工時の溶接部の仕上げが必要な場合にはこの仕上げが使われます。
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#700鏡面仕上げ(目なし#700)
湿式による研磨で、フェルトやスポンジを使って特殊な酸と浮遊砥粒で研磨し、材料素地の荒さを研削せずに光沢を出す方法です。 目あり#700や#600と違って、材料に対して垂直に回転しながら研磨するため、研磨目がつかないのが特徴です。 #800鏡面としても、充分通用する鏡面ですが、良く見ると結晶粒の凹凸に依る、ゆず肌模様が認識できます。 これらは、フロントサッシや、店舗等の柱などに使用され、高級感をかもし出すのに利用されています。
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#800鏡面仕上げ
湿式による研磨。平滑度をあげるために、下地研磨として砥石で、材料の凹凸を研削する。 この工程により、鏡面度が増し、ガラス製の鏡に匹敵するほどの反射率が得られます。 価格も高額になりますが、より高級感を得たい場合に使用されます。
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#ヘヤライン仕上げ
適度な粒度(通常は150~240番の砥粒が多い)の研磨ベルトで、髪の毛のように長く連続した研磨目を付けたものです。建材の最も一般的な仕上げです。
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#バイブレーション仕上げ
ランダムヘアラインやサテン仕上げとも呼ぶ場合もございます。無方向性の短い線状の研磨線の集まりで、和紙のような模様がつくのが特徴です。 傷がついても目立ちにくいことが好まれ、最近では良く使用されている研磨です。 研磨方法設定により、目の長短の違いや、密度の差など、多様なバイブレーション模様が作れます。
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#No.4仕上げ
150~240番の砥粒のエンドレス研磨ベルトで研磨したもので、ヘヤラインと違って研磨の線が短く切れているものです。 ヨーロッパでは主流の模様でサテン仕上げという場合もあります。サテン仕上げの定義は曖昧でバイブレーションと混同されている場合が多いです。 日本では業務用厨房機器などによく使用されています。
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#ショットブラスト
表面に細かい石や金属粒、あるいはガラス粒を衝突させます。 これにより母材の鮮映性を消し、ソフトな感覚に仕上がります。 使用する粒により表情が変わります。特にガラス粒を吹き付けた場合、ビーズショットと呼びます。
アルマイト技術
表面を保護する
自然酸化皮膜が十分な耐食性を満たしていない場合、アルミニウム表面の皮膜(陽極酸化皮膜)を科学的に生成させ、腐食から守ります。 また、表面の硬さが十分でない素材をカバーする為にも用いられてきた方法のひとつです。 一口で言うと「アルミニウムの表面を腐食から守り、固くすることができる技術」です。
アルマイトの種類
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#普通アルマイト(シルバーアルマイト)
ごく一般的な方法で素材に陽極酸化皮膜を生成した処理です。サッシや什器・内装建材など幅広い分野で使われています。
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#染色アルマイト
アルマイト加工時に、染料を用いて赤や青など様々な色に仕上げることができる処理です。インテリア小物や家電製品等のアクセント用に使われることが多です。
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#二次電解着色アルマイト
アルマイト加工時に金属を電気化学的に析出し着色皮膜を生成する処理方法です。 ステン色、ブロンズ、ブラックまで段階的に着色できます。最近ではグレー色も可能です。 一般住宅のサッシ・外装建材として使われています。
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#一次電解着色アルマイト
アルマイト皮膜の形成をコントロールし、膜そのものが発色する方法です。 発色のコントロールが難しいですが、アルマイト皮膜により硬度は高くなります。
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#硬質アルマイト
耐摩耗性・耐食性・硬度などに優れた処理方法です。 耐摩耗性に優れている為機械部品等に使われていますが、硬度を生かし内装では床材として、 また過酷な条件下で使用させる外壁建材として様々な分野で使われています。 二次電解着色も可能で、シルバーからブロンズ、ブラックまで加工が可能です。
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#電着クリア塗装
アルマイト加工の最終工程で、ポーラスにした表面を覆うように、電気的にクリア塗料を密着させる方法です。 通常のクリアの焼付塗装より密着性が良く、9ミクロン程度の薄膜で性能は十分保てます。 艶消しと艶ありがありますが、外装で高耐候性を必要とする環境では、艶消しクリアを使用することをお勧めします。
ステンレスのカラー発色
多種多様な表面処理
表面処理には様々な方法があり、研磨技術等と組合せることで、さらに変化をもたらせる方法です。 代表的な処理として、エッチング加工やカラー処理等が挙げられます。 組合せ次第では、唯一無二の表面模様も作り出すことが可能です。
表面加工処理の種類
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#カラーステンレス(インコ方式他)
カラーステンレスはステンレスの表面に “約100μmから300μm”の透明な酸化皮膜を形成し、皮膜の厚さを加減することで、反射と干渉を発生させます。 これらが黒・青・金・赤紫・緑等の色を作り出す要因です。 この方式は、溶接等に依る熱影響により発色が不安定になることが欠点としてあげられます。
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#スパッタリング
真空容器内に導入したAr,Neなどのイオン化させた不活性ガスをタ-ゲット(固形試料)表面に衝突させて、 基板上に付着させる成膜法のことです。 現在の設備では、板状の物しか色付けが出来ません。
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#イオンプレーティング
真空蒸着により形成した蒸発粒子にプラズマを利用し、蒸発粒子をイオン化し基板上に膜を形成させます。大きな真空チャンバー内で処理するため成型加工品をそのまま着色することが可能ですまた、溶接部も同じように着色出来ることが特徴です。